私はウェザーニュースの有料会員です。
だから無料で使っておいて文句だけ言いたいわけではありません。
仕事柄、天気予報はかなり重要です。私はフードデリバリーの配達もしているため、雨が降るのか、何時から降るのか、どのくらい降るのかによって、その日の装備や動き方まで変わります。
そんな私がウェザーニュースを日常的に使っていて、最近どうしても思うことがあります。
「これ、天気“予報”というより、だんだん天気“実況”になってないか?」
そして、さらに考えていくと別の疑問が出てきました。
実況なら、一番正確なのは現地にいるユーザーじゃないのか?
今回はウェザーニュースへの単純な批判ではありません。
むしろウェザーニュースを毎日のように使っているからこそ見えてきた、「これからのお天気アプリは何を競争することになるのか」という話です。
「1時間後に雨」が1時間経っても降らない
私が困るのは、たとえばこんなパターンです。
アプリを見る。
「1時間後から雨」
分かりました。だったら雨に備えます。
ところが1時間経過しても降ってこない。
もう一度見ると、雨の開始時間が後ろへ移動している。
さらに待つ。
まだ降らない。
こんなことが続けば、当然こちらの予定は狂います。
雨が降り始めてから予報が雨へ変わったり、直前になって大きく予報が変わったりすれば、利用者としては、
「それは予報じゃなくて実況じゃないのか(笑)」
と言いたくなるわけです。
もちろん、最新の観測結果を取り込んで予報を修正すること自体がおかしいとは思いません。
古い予報を意地でも変えないより、現状に合わせて修正した方がいい。
問題は、私たちは予報を見て、その後の行動を決めているということです。
配達員は「雨が外れて良かった」では済まない
一般的には雨予報が外れて晴れれば、「雨降らなくて良かったね」で終わるかもしれません。
しかし配達員は少し事情が違います。
雨が予想される時間帯には、フードデリバリーで追加報酬が出ることがあります。
いわゆる「雨クエ」です。
雨クエが出ていれば私はその時間に稼働するので、それ自体は構いません。
問題は、
雨クエが出ている。
天気予報にも雨マークが並んでいる。
なのに全然降らない。
というケースです。
雨を予想して配達員が集まる。
ところが実際には晴れている。
雨なら外出を控えた人からデリバリー注文が増える可能性がありますが、晴れていれば普通に外へ食べに行けます。
つまり、
配達員は雨モード。
客は晴れモード。
私はこれを勝手に、
「晴れクエ」
と呼んでいます(笑)。
こうなると鳴りが厳しくなることがあります。
さらに「もうすぐ雨」と思って防水装備をしていると、とにかく暑い。
雨が降っていれば仕方ありません。
でも晴れている中で雨装備をして汗だくになりながら、
「雨、いつ来るんだよ」
となる。
天気予報は単なる雑学ではありません。それを見て行動している人間にとって、予報時間のズレは実生活へ影響します。
ところが一番正確なのは「現地ユーザー」ではないか
そんなウェザーニュースを使っていて、逆に便利だと思うものがあります。
現地ユーザーからの情報です。
ウェザーニュースには「ウェザーリポート」という仕組みがあります。
利用者が現在の空を撮影したり、動画を送ったり、現在の天気や体感、コメントなどを投稿できます。
「こちらでは雨が降っています」
「まだ降っていません」
写真まである。
これが実に分かりやすい。
考えてみれば当たり前です。
「1時間後に青葉台で雨が降るか」は予測です。
しかし、
「いま青葉台で雨が降っているか」
については、青葉台にいる人間が一番強い。
だったら思ってしまいます。
現地実況の「精度No.1」って、ユーザーじゃないのか(笑)。
ウェザーニュース自身もユーザー情報を予報に活用している
これは単なる私の感想だけではありません。
ウェザーニュースは、ユーザーから送られる「ウェザーリポート」を予報にも活用しています。
写真、動画、現在の天気など、全国の利用者から届く現地情報は、サービスを支える重要な情報源の一つです。
もちろんウェザーニュースは、ユーザー投稿だけで予報しているわけではありません。
独自の観測網、気象データ、予測モデル、AI、気象予報士など、さまざまなものを組み合わせています。
それでも現地ユーザーから届く情報が重要なのは、ウェザーニュース自身が説明しています。
だったら庶民としては、少しくらい言わせてください。
「精度No.1を支えているの、俺たちでもあるじゃないか(笑)」
しかも私は、そのサービスに金も払っている(笑)
ここでさらに面白くなります。
私自身、ウェザーニュースの有料会員です。
つまり私はウェザーニュースに利用料金を払っています。
一方で、ユーザーは現地の空を撮影し、「今ここ雨です」と報告する。
大量の現地情報が集まり、それがサービスや予報精度の向上に使われる。
そして私たち利用者が、そのサービスを見る。
考えれば考えるほど面白い仕組みです。
もちろんユーザーは強制されて投稿しているわけではありません。
だから「投稿者に賃金を払え」という話ではありません。
でも、これだけユーザーに支えてもらっているなら、
たまには景品くらい送ってきてもいいんじゃないですか(笑)。
個人SNSには嘘もある。それでも「多数決」になる
もちろん現地ユーザーの情報なら何でも正しい、という話ではありません。
SNSには嘘を書く人もいます。
勘違いもあります。
古い写真を投稿する人だっているでしょう。
だから一人の投稿だけを見て、「絶対に正しい」と判断するのは危険です。
しかし同じ地域から短時間に、何十人もの人が、
「雨が降ってきた」
と報告していたらどうでしょう。
写真もある。
動画もある。
投稿時刻も分かる。
隣の地域では何十人も「まだ降っていない」と報告している。
ここまで集まれば、一人のSNS投稿とは意味が違ってきます。
一人なら間違える。でも大量の人間がセンサーになれば「集合知」になる。
ここに天気アプリ運営会社の価値があります。
位置、時間、投稿数、写真、レーダーなどを組み合わせ、怪しい情報を排除して「使える情報」に変える。
単純な多数決より、さらに強い仕組みにできます。
これからの天気アプリは「優秀なユーザー争奪戦」になるのでは?
私は、これからのお天気アプリの競争は少し変わってくると思っています。
もちろん予報技術は重要です。
AIも必要。
スーパーコンピューターも必要。
気象予報士も必要。
観測設備も必要。
でも、各社の予報を普通の利用者として見ていると、正直、
「結局どこも外す日は外すじゃないか(笑)」
とも思います。
だったら今後、大きな差になるのは、
「どれだけ多くの、そして優秀な現地ユーザーを抱えているか」
ではないでしょうか。
たとえば地図を開いた瞬間、
17:01 青葉台 小雨
17:03 藤が丘 強い雨・写真あり
17:04 市が尾 まだ降っていない
17:06 あざみ野 降り始めた
と表示される。
さらに同じ地域から複数の報告が入り、過去の投稿実績などから情報の信頼度まで分かる。
レーダーも重ねる。
これは相当強いサービスになります。
少なくとも外で仕事をしている私なら使います。
テレビニュースだって、結局「現地の人」に助けられている
これは天気だけの話でもありません。
大雨、冠水、雹、台風、火災、事故。
ニュースを見ていると、一般の人がスマートフォンで撮影した映像や、SNSに投稿された現場映像が使われることがあります。
考えてみれば当然です。
何かが起きる場所に、最初からテレビ局のカメラマンがいるわけではありません。
最初に現場情報を持っているのは、その場所にいた普通の人です。
報道機関には、それが本物なのかを確認し、整理し、社会へ届ける重要な仕事があります。
でも「情報そのものが最初にどこから生まれるのか」を考えると、スマートフォン以前とは状況が大きく変わっています。
情報会社の価値は「庶民の情報をどう料理するか」に変わっていく
日本中の人間がスマートフォンを持っています。
言い換えれば、日本中に大量のカメラと人間センサーが存在しています。
これは一企業では絶対に配置できない規模です。
だからこれから強い情報サービスは、すべての情報を自社だけで集める会社ではなく、
「全国の普通の人から届く大量の情報を、どれだけ正確に整理し、価値のある形で利用者へ返せるか」
を競うことになるのではないでしょうか。
その意味では、ウェザーニュースはかなり早い段階からユーザー参加型の仕組みを作ってきました。
これは素直に強みだと思います。
だからこそ、有料会員としては余計に思うのです。
予報が何度も後ろへズレて、最後に現地ユーザーの、
「今ここ雨です」
を見て判断する。
そういう日が続けば、
「もう実況じゃないか(笑)」
と言いたくなるのも当然です。
編集後記――本当の「精度No.1」は誰なのか
私はウェザーニュースを使うのをやめろと言いたいわけではありません。
私自身、有料会員として今後も使います。
ただ「予報精度No.1」という言葉を見ながら、別のことを考えるようになりました。
予報精度を支えているものの一つが、全国から届く大量の現地情報です。
そして「今現在の天気」について一番詳しいのは、結局その場所にいる人間です。
一人なら間違える。
嘘をつく人だっている。
でも数百、数千、数万という現地ユーザーの情報を集めれば、それは巨大な観測網になります。
だから今後のお天気アプリで重要になるのは、
「予報精度No.1」の看板だけではなく、「どれだけ優秀な現地ユーザーを抱えているか」なのではないでしょうか。
予報が実況へ近づけば近づくほど、現地ユーザーの価値は上がります。
そう考えると最後に残る疑問は一つ。
本当の「精度No.1」って、現地にいるユーザーなんじゃないのか(笑)。
そしてウェザーニュースさん。
そのユーザーの一人である私は、有料会員でもあります。
情報も集まる。利用料金も入る。精度No.1も取る。
……やっぱり、たまには何か景品ください(笑)。


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