320円の配達を受けたら、あとから200円、さらに150円?
Uber Eatsの配達をしていると、実に不思議なことがあります。
最初に届いたリクエストは320円。
ところが、配達を引き受けて走っていると、追加のリクエストが届くことがあるのです。
2件目が200円。さらに3件目が150円。
合計すると670円。
最初は320円の仕事だったはずなのに、いつの間にか3件の配達になっている。
「これ、Uberは何を考えているんだ?」
そこで今回も、金色の全身タイツに赤い蝶ネクタイ、原付にまたがってコマネチを披露する謎の配達員、金ピカのマサさんに聞いてみることにしました。
※金ピカのマサはAIで制作した架空のキャラクターです。会話は演出であり、Uber内部関係者の証言ではありません。報酬額は配達現場の一例であり、全国共通の固定料金ではありません。
マサさん、なんで最初から3件まとめて出さないんですか?
――マサさん、ちょっと聞いていいですか?
「何だい? 今日もコマネチか?」
――いや、配達の話です。最初320円だったのに、あとから200円、150円って注文が増えるんですよ。
「いいじゃないか。仕事が増えたんだろ?」
――だったら最初から670円のトリプルで出せばいいじゃないですか(笑)。
「おいおい。注文が全部同時に出来上がると思ってるのかい?」
……確かに、そこは考える必要があります。
飲食店への注文は、すべて同時に入るわけではありません。料理の完成予定時刻も、配達先の方向も異なります。
Uber公式の説明でも、最初の注文を受け取りに向かっている間に、近くの店舗で別の注文が配達可能になると、追加リクエストが届く場合があると案内されています。
つまり、最初からまとめられる注文もあれば、配達の途中で組み合わせが成立する注文もあるわけです。
3人で運ぶより、1人で運んだ方が安い?
――マサさん、Uberにとっては1人に3件運ばせた方が安いんじゃないですか?
「場合によるけど、同じ方向なら効率はいいだろうな」
例えば、3件を別々に320円で配達してもらうとします。
- 1件目:320円
- 2件目:320円
- 3件目:320円
- 合計:960円
ところが、1人の配達員が次の報酬で引き受けた場合はどうでしょう。
- 最初の配達:320円
- 追加配達:200円
- さらに追加:150円
- 合計:670円
差額は290円。
これは実際のUberの利益や内部原価を示す数字ではありません。単純化した比較例です。
しかし、配達をまとめることで走行距離や配達員の移動時間を減らせれば、配送全体の効率が改善する可能性があります。
Uber自身も、複数注文をまとめることで配達効率を高める取り組みを説明しています。
――マサさん、つまりUberが得をする仕組みなんですね?
「Uberだけとは限らないだろ。配達員だって、短時間で3件終われば得することがあるじゃないか」
なるほど。
ここが今回の重要なポイントです。
配達員にとっても、トリプルは悪い話とは限らない
例えば、同じ方向に3件配達して、30分で670円になったとします。
単純計算の時間当たり報酬は1,340円です。
もちろん、ここからガソリン代や車両維持費などを考える必要があります。
それでも、320円の単発配達を終えて次の注文を待つより、効率がよい場合は十分にあります。
逆に、3件目の配達先が遠く離れていたり、店舗で長時間待たされたりすれば話は変わります。
大切なのは、追加報酬だけでなく、追加される距離と時間を見ることでしょう。
――マサさん、150円の追加って安すぎませんか?
「150円で何分余計にかかるかによるだろ?」
――たった3分なら悪くないけど、15分なら嫌ですね。
「それが答えじゃないか(笑)」
では、最初の320円を断るのは正解なのか?
ここは簡単に結論を出せません。
320円の案件を受ければ、あとから追加注文が届く可能性があります。
しかし、追加が来る保証はありません。
反対に、320円の案件を断ったからといって、必ず損をするわけでもありません。
その直後にもっと条件のよいリクエストが届くかもしれないからです。
Uberの公式案内では、配達リクエストを拒否しても、通常どおり次のリクエストを受け取れると説明されています。
したがって、単に320円の案件を断ったという理由だけで、Uberが意図的に配達を回さなくなると断定する根拠はありません。
――マサさん、じゃあ320円は受けるべきですか?
「その距離と時間なら受けてもいいと思うなら受ければいい。追加が来たら、その時また考えればいいんだよ」
これが現実的な判断でしょう。
実はUber自身も複数注文の効率化を進めている
Uber Eats Japanは2025年に開催した配達パートナーとの対話会について、公式サイトで報告しています。
その中では、複数注文の配達フローを変更し、状況に応じて、すべての配達を終える前に新たな注文を受け取り、届けられるようにしたことが説明されています。
つまり、複数注文の組み合わせや配達の流れを改善することは、Uber自身が取り組んでいるテーマなのです。
ただし、個々のリクエストがどのような計算によって配車されているか、そのアルゴリズムの詳細までは公開されていません。
参考:Uber Eats Japan「配達パートナー対話会を東京で開催」
マサさん、注文者はどうなるんですか?
――配達員とUberの都合は分かりました。でも注文者は、ほかの家に寄られると困りませんか?
「そこが商売の難しいところだろうな」
注文をまとめれば配送効率は上がります。
一方、受け取りや配達先が増えることで、注文者の待ち時間が長くなる場合もあります。
Uber Eatsには、追加料金を支払うことで、複数注文の配達時に自分の注文を先に届けてもらう「優先配達」という選択肢もあります。
公式案内では、優先配達料は150〜550円とされており、指定時刻の配達を保証するものではありません。
ここにも興味深い商売の仕組みがあります。
Uberは注文をまとめて配送効率を高めながら、早く受け取りたい注文者には別の選択肢を提供しているのです。
結局、誰が得をする仕組みなのか?
今回の話を整理すると、複数注文の配達には三つの側面があります。
- Uber:配達の組み合わせを工夫し、配送効率を改善できる可能性がある
- 配達員:待機や移動の無駄を減らし、短時間で複数件をこなせる可能性がある
- 注文者:効率的な配送の恩恵を受けられる一方、複数配送によって待ち時間が増える場合もある
ただし、いつでも全員が得をするわけではありません。
だからこそ、配達員には案件ごとの判断が必要になります。
Uberは自社の利益を考えて事業を運営する。
配達員も自分の利益を考えて仕事を選ぶ。
どちらも商売なのです。
最後にマサさん、ひとつ聞いていいですか?
――ところでマサさん、320円の配達は受けるんですか?
「近けりゃ受けるよ」
――じゃあ150円の追加は?
「近けりゃ受けるよ」
――じゃあコマネチは?
「いつでも無料だ!」
……そこだけは、どうしても値上げしないんですね(笑)。
金ピカのマサに聞いてみた!
Uber Eatsの不思議な仕組みを、現場の経験と公開資料から調べるシリーズ。
次も、気になる疑問を金ピカのマサさんにぶつけてみたいと思います。



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