フードデリバリーの現場で、飲食店にピックアップへ行く。
そこで気持ちよく対応してくれる店もある。忙しい中でも、番号を確認して、商品を渡して、「お願いします」と一言添えてくれる店もある。
そういう店は、こちらも自然と丁寧に対応したくなる。
一方で、明らかに態度が悪い店員もいる。
挨拶をしても無視。商品を指差すだけ。「はっ?」という意味のない威圧。配達員を、まるで透明人間か、下請けの格下みたいに扱う態度。
ただし、ここで勘違いしてほしくない。
態度が悪いのは、飲食店側だけではない。
配達員側にも、ひどい人間はいる。
無言でスマホ画面だけを突き出す。店内の導線を塞ぐ。客の邪魔になる場所で待つ。タメ口で急かす。商品を雑に扱う。店員に対して、なぜか偉そうにする。
そういう配達員も、正直いらない。
この記事で言いたいことは単純です。
配達員にも態度が悪い人間はいる。飲食店にも態度が悪い店員がいる。どちらか一方だけを正義にする話ではありません。
では、何が問題なのか。
答えはシンプルです。
配達員も店員も、どちらも客になりえる。
この当たり前を忘れている人間が、現場を荒らしている。
配達員は「ただの配達員」ではない
飲食店の一部の店員は、配達員を見た瞬間に態度を変える。
客として来た人には笑顔。家族連れには丁寧。持ち帰り客には普通に接客する。
でも、配達バッグを背負って入ってきた瞬間、急に雑になる。
これが本当に滑稽です。
なぜなら、その配達員は、仕事が終われば普通の生活者だからです。
- その地域で飯を食うかもしれない
- 家族を連れて外食に来るかもしれない
- 持ち帰りで買いに来るかもしれない
- 友人に店の印象を話すかもしれない
- 地域の口コミを持っているかもしれない
- 本業では別の仕事をしている副業配達員かもしれない
つまり、目の前にいるのは「配達員という属性」ではありません。
その地域で金を使う可能性のある一人の人間です。
そこを見落として、配達員の時だけ雑に扱う。
すると何が起きるか。
その人は、プライベートでその店を選ばなくなる。
大げさなクレームは入れないかもしれない。レビューで怒鳴るわけでもないかもしれない。
ただ静かに、選択肢から外す。
店側は気づかないまま、未来の客を失っている。
店員も、仕事が終われば客になる
逆も同じです。
飲食店の店員も、仕事が終われば客になります。
別の店で飯を食う。コンビニで買い物をする。デリバリーを頼む。誰かの接客を受ける。
つまり、店員もどこかでは「客として扱われる側」になります。
それなのに、自分が店員の立場になった瞬間だけ、配達員を雑に扱う。
これは、自分が客になった時に雑に扱われる可能性を想像できていないということです。
人は、立場を変えながら生活しています。
ある時は店員。ある時は配達員。ある時は注文者。ある時は家族連れの客。ある時は持ち帰り客。
その時々で役割が変わっているだけで、上下関係が生まれているわけではありません。
受け渡しの場にいる二人は、上下関係ではない。
たまたまその瞬間だけ、商品を渡す側と受け取る側に分かれている生活者同士です。
態度が悪い店員も、態度が悪い配達員も、現場を荒らす
飲食店側だけが悪いとは言いません。
態度の悪い配達員も、間違いなく現場を荒らしています。
態度が悪い店員の例
- 挨拶を無視する
- 番号確認を雑にする
- 商品を指差すだけで済ませる
- 配達員を見下したような態度を取る
- 「はっ?」のような威圧的な反応をする
- 待たせているのに状況を伝えない
- 大声の私語で店内の空気を悪くする
態度が悪い配達員の例
- 無言でスマホ画面だけを突き出す
- 店内の通路や客導線を塞ぐ
- 店員にタメ口で急かす
- 待ち時間に舌打ちする
- 商品を雑に扱う
- 客の邪魔になる場所で待機する
- 受け取り後に確認せず雑に出ていく
どちらも同じです。
自分の態度ひとつで、次に来る人間の空気まで悪くしている。
店員が配達員を雑に扱えば、その配達員はその店への印象を悪くする。
配達員が店員に横柄な態度を取れば、その店員は次に来る配達員にも警戒心を持つ。
こうして現場は荒れていきます。
誰か一人の雑な態度が、次の人間にまで残る。
これが一番面倒くさい。
求めているのは神対応ではない
ここで言っているのは、過剰な接客をしろという話ではありません。
配達員に対して、店員がニコニコし続ける必要はない。
配達員も、店員に過剰な愛想を振りまく必要はない。
忙しい時もある。店が混んでいる時もある。ピーク中に余裕がないこともある。
それは配達員側もわかっています。
ただ、最低限はある。
飲食店側の最低ライン
- 番号を確認する
- 商品ができていないなら状況を伝える
- 商品を雑に置かない
- 指差しだけで済ませない
- 配達員を見下す態度を取らない
- 店内の大声の私語に気をつける
配達員側の最低ライン
- 挨拶をする
- スマホ画面だけを無言で突き出さない
- 店内の導線を塞がない
- 客の邪魔にならない場所で待つ
- 店員を威圧しない
- 受け取った商品を丁寧に扱う
難しい話ではありません。
普通に確認して、普通に渡して、普通に受け取る。
それだけです。
大声の私語も、雑な態度も、思っている以上に見られている
飲食店で待機していると、店内の空気はかなり見えます。
店員同士の大声の私語。客や配達員への陰口。だらけた空気。忙しいのに誰も状況を見ていない感じ。
あれは、裏側ではありません。
もう店の表側に漏れています。
配達員は、客席に座っている客よりも、ある意味で店の運営の素の部分を見ています。
だからこそ、店の本性が見える。
感じのいい店は、忙しくても最低限の受け渡しが崩れません。
逆に、荒れている店は、配達員への態度にも、店内の私語にも、商品管理にも出ます。
配達員への態度は、ただの一瞬の対応ではありません。
店の教育レベル、現場の空気、スタッフのモラルが表に出ている瞬間です。
「どちらも客になる」を忘れると、現場は荒れる
配達員も、店員も、どちらも客になります。
この当たり前を忘れるから、態度が雑になる。
配達員を見下す店員は、その人が明日の客かもしれないことを忘れている。
店員に偉そうな配達員は、自分が別の場所で客として扱われる側になることを忘れている。
立場は固定ではありません。
今日の配達員は、明日の家族連れの客かもしれない。
今日の店員は、明日のデリバリー注文者かもしれない。
今日雑に扱った相手が、明日どこかで自分の仕事や店や生活に関わるかもしれない。
だから、たった数十秒の受け渡しで、余計な敵意を作る必要はありません。
最低限の態度が取れないなら、現場に立たないでくれ
正直に言えば、最低限の態度すら取れないなら、飲食店バイトも配達員もやめてくれと思います。
これはきれいごとではありません。
現場で作業している側からすると、本当に邪魔だからです。
こちらは気持ちよく作業したいだけです。
余計な敵意もいらない。意味のない威圧もいらない。格下扱いもいらない。横柄な態度もいらない。
店員は商品をきちんと渡す。
配達員は商品をきちんと受け取る。
それだけでいい。
配達員にも態度が悪い人間はいる。
飲食店にも態度が悪い店員はいる。
どちらか一方を正義にする話ではない。
ただ、どちらも客になりえる生活者同士だ。だから、受け渡しの数十秒くらい普通にやれ。
まとめ:現場の平和は、普通の態度から始まる
フードデリバリーの受け渡しは、長い接客ではありません。
多くの場合、数十秒です。
でも、その数十秒で店の印象は決まります。
その数十秒で配達員の印象も決まります。
店員が配達員を雑に扱えば、その店は未来の客を失うかもしれない。
配達員が店員に偉そうにすれば、自分たちの受け取り環境を悪くするかもしれない。
どちらも客になる。
どちらも生活者です。
だから、最低限の態度で、普通に受け渡しをする。
それだけで現場はかなり平和になります。
逆に、それすらできないなら、現場を荒らす前に一度立ち止まってほしい。
飲食店も配達員も、気持ちよく仕事を終わらせるために、まずは普通にやろう。



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