その現地仕事、本当に自分で行く必要があるでしょうか。
現地確認、写真撮影、店頭在庫の確認、資料の受け取り、ちょっとした待機。
ひとつひとつを見ると、大した仕事には見えません。
ところが自分で行けば、往復の移動が発生します。現地で待つこともある。駐車場所を探す。目的の場所が分からず迷う。場合によっては一度で終わらず、再訪問する。
「10分で終わる仕事」のために、半日近く消えることもあります。
個人事業主が見るべきなのは、作業そのものの難しさではありません。
その仕事に、自分の時間を使う価値があるか。
今回は、現地仕事を自分でやる場合と外注する場合を、時間と採算から考えます。
「自分で行けば無料」は本当か
現地仕事を外注すると料金が掛かります。
そのため、「自分で行けば0円だから自分でやる」と考えたくなります。
ですが、実際には0円ではありません。
- 往復の移動時間
- ガソリン代や交通費
- 駐車場代
- 現地での待ち時間
- 場所を探す時間
- 写真や資料を整理する時間
- 再訪問するリスク
そして一番大きいのが、その時間に本来できた仕事です。
たとえば、往復と現地作業で3時間掛かったとします。
その3時間で5,000円、8,000円、1万円の売上を作れる人なら、「自分で行けば無料」という計算は成立しません。
現金を払っていないだけで、時間というコストを使っています。
外注を検討しやすい現地仕事
外に出しやすいのは、高度な判断を必要とせず、やることを明確に指定できる仕事です。
たとえば次のようなものがあります。
- 店舗や物件の外観確認
- 看板や貼り紙の確認
- 指定された場所の写真撮影
- 店頭在庫や価格の確認
- 指定された資料の受け取り
- 予約品や取り置き品の受け取り
- 受付や整理券などの現地確認
- 指定地域へのポスティング
共通しているのは、「現地へ行かなければ終わらないが、経営者本人である必要はない」ということです。
逆に、自分でやった方がいい仕事もある
何でも外注すれば効率が上がるわけではありません。
外注費以上の価値を生まない仕事なら、自分でやった方が安い場合もあります。
| 仕事 | 基本判断 |
|---|---|
| 単純な写真撮影・確認 | 外注しやすい |
| 定型的な資料受け取り | 外注しやすい |
| 在庫・価格確認 | 条件次第で外注 |
| 小規模なポスティング | 単価と配布量で判断 |
| 重要な商談 | 本人が行く |
| その場で判断が必要な確認 | 本人または専門家 |
| 契約・法律・税務などの専門判断 | 専門家へ |
ここを間違えると、外注したことで逆に確認作業が増えます。
「人に任せられる仕事」と「本人が行く意味がある仕事」を分けることが重要です。
外注で失敗する原因は「依頼が曖昧」だから
現地仕事を外注するとき、最も危ないのが「ちょっと見てきてください」です。
これでは、何を確認すれば仕事が完了するのか分かりません。
建物の外観なのか。
入口なのか。
掲示板なのか。
駐輪場なのか。
営業時間なのか。
現地に行った人が判断し始めるほど、時間もズレも増えていきます。
依頼するなら、たとえば次のようにします。
指定住所の建物外観、入口、掲示板、駐輪場を各2枚撮影。写真と簡単なコメントで報告。
ここまで決まっていれば、作業時間も見積もりやすくなります。
外注前に最低限決めること
- どこへ行くのか
- 何を確認するのか
- いつまでに必要なのか
- 写真は必要か
- 何を何枚撮るのか
- 実費はいくら掛かるのか
- 受け取る物があるのか
- 報告方法は何か
この条件が明確なら、外注する側も受ける側も判断が速くなります。
反対に、内容が曖昧なまま現地へ行かせると、確認の電話や再訪問が増えます。
それでは外注した意味がありません。
外注するかは「時間単価」で判断する
結局、判断基準はシンプルです。
自分で動くコストと、外注費を比較する。
たとえば3,000円の外注費が掛かるとします。
自分なら30分で終わる仕事なら、自分で動いた方がいいでしょう。
ところが往復を含めて3時間掛かるなら話が変わります。
その3時間で3,000円以上の利益を作れるなら、外注する意味が出てきます。
逆に、利益の薄い仕事まで何でも外注すれば、単純に経費が増えます。
外注は「楽をするため」ではありません。
自分の時間を、より利益の大きい仕事へ移すために使うものです。
個人事業主ほど、自分しかできない仕事を残す
一人で仕事をしていると、全部自分でやろうとしがちです。
営業もする。
仕入れもする。
現地確認もする。
書類も取りに行く。
荷物も受け取る。
それでは時間がいくらあっても足りません。
だからといって、最初から人を雇う必要もありません。
必要な仕事だけ、小さく外へ出す方法もあります。
重要なのは、仕事を次の2つに分けることです。
- 自分でなければできない仕事
- 誰がやっても結果が同じ仕事
後者に自分の時間を大量投入しているなら、一度数字を出した方がいい。
まとめ:現地仕事は「作業時間」ではなく「拘束時間」で考える
現地仕事で一番見落としやすいのは、作業自体は短いということです。
写真を撮るだけなら5分。
在庫を見るだけなら10分。
資料を受け取るだけなら数分。
ですが、そのために往復1時間、2時間掛かれば、仕事としてのコストはまったく違います。
だから見るべきなのは、現地で何分作業したかではありません。
家や事務所を出てから戻るまで、何時間拘束されたか。
その時間に別の仕事をした方が利益が残るなら、外注を検討する。
外注費の方が高いなら、自分でやる。
個人事業では、こういう地味な判断の積み重ねが最終的な手残りを変えます。



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