送料0円、サービス料0円を前面に押し出して利用者を増やしてきたRocket Now(ロケットナウ)が、次の一手を打ってきました。
運営するCP One Japan合同会社は2026年9月24日、Rocket Nowアプリで「スタンプカード」機能を開始したと正式発表しました。
内容だけを見ると「5回注文すると特典がもらえる」というシンプルなサービスです。
しかし、今回の機能は単発の割引キャンペーンとは性格が違います。
新規客を安さで呼び込む段階から、「次もRocket Nowで注文してもらう」仕組みを作る段階へ進み始めたと見ることができます。
Rocket Nowのスタンプカードとは?
今回導入されたのは、対象チェーンの参加店舗で注文するとスタンプが貯まる仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| スタンプ | 対象店舗で1回注文すると1個 |
| 必要数 | 5個 |
| 特典 | 500円以上の特典クーポン、または特典商品 |
| 付与方法 | 5個集めると自動付与 |
| 店舗 | 同じブランドの参加店舗なら別店舗でも貯められる |
| 1日の上限 | 同一店舗では1日最大1スタンプ |
| 特典利用期限 | 付与から30日以内 |
ポイントは、同じ店舗に5回注文しなければならないわけではないことです。
同一ブランドの対象店舗であれば、別店舗でも共通してスタンプを貯められます。
デリバリーでは自宅、勤務先、外出先など注文場所によって利用する店舗が変わることがあります。
そのため、店舗単位ではなくブランド全体でリピートを促せる仕組みになっている点は重要です。
初期対象はデニーズ、バーガーキングなど5ブランド
9月24日の正式発表時点で案内されている対象ブランドは、デニーズ、ウェンディーズ・ファーストキッチン、ブルーボトルコーヒー、クリスピー・クリーム・ドーナツ、バーガーキングです。
Rocket Nowは今後、参加店舗を順次拡大するとしています。
現時点では全加盟店共通の制度ではないため、対象店舗や実際の特典内容についてはアプリ上で確認する必要があります。
重要なのは「500円お得」ではない
今回のニュースで見るべきなのは、500円という金額そのものではありません。
「あと1回注文すれば特典がもらえる」という理由をRocket Now側が作ったことです。
例えば4個までスタンプが貯まっている利用者がいたとします。
次に同じチェーンの商品を注文するとき、Uber Eats、出前館、Rocket Nowの料金差が小さければ、「あと1回で特典がもらえるRocket Nowで頼もう」という判断が生まれます。
通常の値引きクーポンは、使った時点で効果が終わります。
一方、スタンプカードは注文→スタンプ→特典→再びスタンプという循環を作れます。
加盟店向けにも「リピーター獲得策」として案内
今回のスタンプカードを単なるユーザー向けサービスと考えると、本質を見落とします。
Rocket Nowは加盟店向け資料でも、スタンプカードを次回注文のきっかけ作りや継続的な注文促進、リピーター獲得につながる機能として案内しています。
つまり運営側自身が、この機能を「繰り返し注文してもらうための販促機能」と位置付けています。
特典を使い終われば再びスタンプを貯められるため、一度きりのキャンペーンではありません。
9月24日に突然始まった施策ではない
一般ユーザー向けの正式発表は9月24日ですが、加盟店側ではそれ以前からスタンプカード機能の準備が進められていました。
Rocket Nowの加盟店向け案内では、マーチャントポータルのキャンペーン管理機能からスタンプカードを設定できる仕組みが説明されています。
つまり、単発キャンペーンとして急きょ投入したものではなく、加盟店が継続して使える販促機能としてシステム側に組み込んだ施策です。
送料無料で「獲得」、スタンプで「定着」へ
Rocket Nowがこれまで強く打ち出してきたのは、送料0円・サービス料0円です。
これは非常に強い新規顧客獲得策です。
しかし、安さだけで獲得した利用者は、別サービスの方が安ければ簡単に移動します。
そこで必要になるのが「次もRocket Nowを使う理由」です。
| 段階 | Rocket Nowの施策 |
|---|---|
| 新規利用 | 送料0円・サービス料0円 |
| 再注文 | スタンプカード |
| 継続利用 | 5回注文→特典→再びスタンプ |
今回のスタンプカード導入によって、Rocket Nowは新規獲得だけでなく、利用頻度と継続率にも手を入れ始めたと見ることができます。
Uber Eats・出前館もすでに囲い込み策を持っている
もちろん、利用者を繰り返し注文させる仕組み自体はRocket Nowだけのものではありません。
Uber Eatsには有料メンバーシップのUber Oneがあります。
対象注文の配達手数料0円や会員向け特典などによって、Uber Eatsを継続利用する理由を作っています。
出前館にも「出前にゃんクラブ」があり、注文金額などに応じて会員ランクや特典につなげる仕組みを運用しています。
| サービス | 主な継続利用施策 |
|---|---|
| Rocket Now | 送料・サービス料0円+ブランド別スタンプカード |
| Uber Eats | 有料会員「Uber One」 |
| 出前館 | 「出前にゃんクラブ」などの会員施策 |
Rocket Nowは、有料会員にならなくてもスタンプを貯められる点が特徴です。
「同じブランドを5回使えば特典」という非常に分かりやすい仕組みで、利用回数を増やそうとしています。
フードデリバリー競争は第2段階へ
フードデリバリー各社の競争では、これまで初回クーポン、送料無料、値引きキャンペーンなどが目立ってきました。
しかし、新規客を何万人集めても、1回使っただけで離脱されれば継続的な売上にはつながりません。
次に重要になるのは、2回目、3回目、5回目をどう注文させるかです。
今回のRocket Nowのスタンプカードは、まさにそこへ踏み込んだ施策です。
対象もデニーズやバーガーキングなど、繰り返し注文される可能性のある大手ブランドが中心です。
対象ブランドが増えれば、利用者側にも新しい判断基準が生まれます。
「この店ならRocket Nowで頼めばスタンプが貯まる」
価格差が小さければ、この差がアプリ選択を左右する可能性があります。
配達員にも無関係ではない
今回のスタンプカードは注文者向けの機能ですが、配達員にも完全に無関係ではありません。
対象ブランドのリピート注文が増えれば、その店舗から発生する配達案件が増える可能性があります。
ただし、今回の発表だけで「配達件数が増える」「報酬が上がる」とまでは言えません。
配達員側で見るべきなのは、今後対象チェーンがどこまで増えるか、対象エリアがどこまで広がるか、そして実際の案件数に変化が出るかです。
まとめ:Rocket Nowは「安いアプリ」から次の段階へ
Rocket Nowのスタンプカード自体は、仕組みだけ見れば非常にシンプルです。
しかし、フードデリバリー事業の流れとして見ると意味は大きくなります。
送料・サービス料0円で一度使ってもらう。
スタンプを貯めてもらい、もう一度使ってもらう。
5回利用すれば特典を付け、再びスタンプを貯めてもらう。
新規獲得から継続利用まで、仕組みがつながり始めました。
Uber EatsにはUber One、出前館には出前にゃんクラブがあります。
そこへRocket Nowがスタンプカードを投入しました。
フードデリバリー各社の競争は、「どこが一番安いか」だけではなく、「どのアプリを繰り返し開いてもらえるか」を争う段階へ進み始めています。


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