MRIで異常なしでも痛い時どうする?可動域・神経所見・通院記録の見直し方をQ&Aで整理

交通事故の後遺障害申請において、MRI異常なしとされた被害者が、現実の痛みと向き合い、可動域制限、神経学的所見、通院記録といった「武器」を整理している。左側のモニターには無機質なモノクロの脊椎画像が「異常なし」として映り、右側の原付配達員は苦悶の表情で首をさすり、可動域制限を示している。デスク上には、 image_3.png の交通事故証明書、 image_5.png の後遺障害診断書(可動域計測値が強調)、 image_8.png の付箋、 image_5.png のデスククロック(3年カウントダウンを強調)が整理されており、画像だけに切らせない決意が感じられる。左上の赤帯に「MRI異常なし」は「痛みなし」ではない、下部の検索バー風テキストに「画像が静かでも現実が苦しい時」に、認定を覆す武器と文字が入っている。 もらい事故・保険

「MRIに異常はありません」。交通事故のあと、この言葉に一番折られる人は多いと思います。
こっちは痛い。首が回らない。肩が重い。仕事にも生活にも響いている。なのに、画像が静かだと、現実まで静かだったことにされそうになるからです。

でも、ここで話を終わらせるのは早いです。
MRIで異常がはっきり出ないことと、痛みや不自由が存在しないことは同じではありません。実務では、画像だけでなく、可動域、神経学的所見、通院経過、カルテの一貫性がかなり重要になります。

この記事では、「MRIで異常なしと言われたのに痛い時、どう考えればいいのか」を、被害者側の視点でQ&A形式に整理します。

結論:MRIが静かでも、可動域・神経所見・通院記録は静かじゃない

先に結論を書くと、MRIで明らかな異常所見が乏しい時ほど、次の3つが重要になります。

  • 可動域(ROM)がどれだけ落ちているか
  • 神経学的所見がどう残っているか
  • 事故直後から症状固定までの通院記録に一貫性があるか

つまり、画像が弱いなら、機能の低下と経過の積み上げで包囲するしかありません。
画像が静かでも、現実の生活や仕事が静かとは限らない。そのズレをどう記録にするかが勝負になります。

MRI異常なしでも痛い時の疑問をQ&Aで整理

Q1. MRIで「異常なし」と言われたら、もう後遺障害は無理ですか?

そこまで単純ではありません。
MRIは主に構造的な異常を確認する検査で、痛みやしびれ、機能障害の全体をそれだけで言い切れるわけではありません。

実務では、画像所見が弱くても、可動域制限や神経学的所見、治療経過などを含めて見られます。
逆に言うと、MRIで弱い分、他の資料がかなり大事になります。

Q2. 可動域(ROM)はどれくらい重要ですか?

かなり重要です。
MRIで異常が乏しい時ほど、「どれだけ動かないか」を数値で残す意味が大きくなります。

首、肩、腰、足首など、どの部位でも、動きがどこまで落ちているかを医師がどう測り、どう記録するかは大事です。
特に、後遺障害診断書に残る可動域の数値は、かなり重く見られます。

Q3. 可動域が軽く見られたらどうすればいいですか?

ここは流さない方がいいです。
測定の場で実際にどこで痛みが出るのか、どの角度で止まるのか、左右差があるのかを主治医にきちんと伝えた方がいいです。

また、日常生活や仕事でどう困っているかも共有した方がいいです。
ただ「痛い」ではなく、振り向けない、上まで上がらない、長時間維持できないという形で伝えると、可動域の話とつながりやすくなります。

Q4. 神経学的所見って、何を見ているの?

神経学的所見とは、反射、筋力、知覚、誘発テストなど、医師が体を診て確認する客観的な反応です。

たとえば、しびれ、筋力低下、感覚異常、誘発テストでの痛みなどは、画像以外の医学的材料になります。
MRIに大きな異常がなくても、こうした所見が残っているなら、それは軽く見ない方がいいです。

Q5. 通院経過やカルテ記載がなぜ大事なんですか?

認定では、症状の一貫性がかなり見られます。
事故直後から症状固定まで、同じ痛みやしびれ、動かしづらさを継続して訴えていて、それが記録に残っているかどうかです。

最後の後遺障害診断書だけ強くても、途中のカルテが薄いと弱く見られやすいです。
逆に、通院の足跡がきちんと残っていれば、画像が弱い時の支えになります。

Q6. 画像だけで切られそうな時、何を補強すべき?

補強したいのは、症状の連続性客観所見です。

  • 可動域の正確な記録
  • 神経学的検査の結果
  • 通院中のカルテや診療録
  • 追加検査の検討
  • 仕事や生活への支障の整理

画像が弱いなら、別の角度から包囲するしかありません。
「MRIに何もない」一点で終わらせないためには、他の材料を厚くする必要があります。

Q7. 仕事への支障は意味がありますか?

あります。
特に配達員や個人事業主は、首が回らない、荷物の上げ下ろしで痛い、長時間の運転でしびれる、といった支障が現実に直結します。

ただし、それを制度の中で使うには、感覚だけでなく記録が必要です。
どの動作で困るのか、稼働時間や件数にどう影響したのかを残しておく意味は大きいです。

Q8. 異議申立てでは、何を見直せばいいですか?

画像が弱くて低評価や非該当になった時は、まず次を見直したいです。

  • 後遺障害診断書に可動域や症状が十分書かれているか
  • 通院中のカルテと整合しているか
  • 神経学的所見が十分残っているか
  • 追加検査や医師の意見書を足せるか

前回と同じ資料を出すだけでは変わりにくいです。
「画像がないなら他の何で支えるか」を明確にした方がいいです。

Q9. 弁護士を入れる意味はありますか?

あります。
特に、画像が弱いケースでは、どの資料を前面に出すか、どこを補強するかの整理がかなり大事だからです。

弁護士費用特約があるなら、異議申立てや資料整理の段階で使えるか確認する価値はあります。
一人で抱えるには、医学資料と制度の読み解きが重いことが多いです。

Q10. 一番意識すべきことは何ですか?

一番大事なのは、「MRIに何もない=自分の現実まで何もない」と受け取らないことです。

画像は大事です。
でも、画像がすべてを語るわけではありません。可動域、神経所見、通院記録、生活や仕事への支障をどう積み上げるかで、見え方はかなり変わります。

まとめ|画像は静かでも、あなたの生活は静かじゃない

MRIに明らかな異常がないことは、それだけで「何も起きていない」証明にはなりません。
ただし、制度の中では、画像が弱い時ほど、可動域、神経学的所見、治療経過の一貫性が問われやすくなります。

だからこそ、画像が静かなら、他の証拠を黙らせないことです。
機能の低下、通院の足跡、仕事や生活への影響を、ちゃんと記録して残していく。それが実務上かなり大事だと僕は思っています。

編集後記

MRIに何も写っていないから大丈夫。そんな風に切られたら、たまらないですよね。
こっちは痛みもあるし、動きも落ちて、生活も仕事も削られているのに。画像が静かだと、現実まで静かだったことにされそうになる。

私は2025年12月、横浜市青葉区の交差点で信号待ち中にもらい事故を受けた。
その経験から言うと、制度の怖さはここにあると思っています。画像は嘘をつかないかもしれない。でも、全部を語るわけでもない。

だから僕は、画像が弱い時ほど、可動域や記録を軽く見てほしくない。
MRIに写らないからといって、あなたの現実まで薄くなるわけじゃないからです。


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